新宿校Young Artist Program Vol.02 「萩谷但馬展 f.lo」

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開催情報

会期 2014.11/17(月)~12/14(日)
10:00~18:00(会期中無休/日・祝・最終日は16:00まで)
/入場無料
主催 Gallery Kart 実行委員会/河合塾美術研究所
会場 河合塾美術研究所新宿校 Gallery Kart
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-14-5 河合塾美術研究所1F
お問い合わせ フリーダイヤル0120-327-414

[ご案内]

 この度Gallery Kartでは、新鋭作家として注目されている萩谷但馬氏の個展「f.lo」を開催致します。萩谷但馬氏(美術作家・1987年生まれ・2010年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業)は、今年、第17回岡村太郎現代芸術賞展に入賞、2012年の府中美術館市民ギャラリーでの個展など、卒業制作優秀作品展から大きな空間を使った大規模な装置のようなインスタレーション作品で独特な世界感とインパクトを与えてきました。
萩谷氏はこれまで壁と地面とそれらが機能として持つ、分けることや繋げることに関心を持ち、点や線を反復して描く平面的な作業と、その画面の中に実際に人が入りこむ形に作り上げる立体的な作業を通して表現してきました。今回、地面のレンガや階段や河原の石といった地面に夥しく広がるものを、眺めたり数えたりする中で、ある物事に対して「後続する」とは何かと考え、その印象を絵にし、その作品群を立体的に配置することで表現しようと試みています。
本展覧会ではそのシリーズ「fol.」を形を変え「f.lo」として発表します。また、会期中に少しずつ展示形態を変化させていく考えを示し、「後続する」について別のアプローチも模索しています。
萩谷氏の新たな試みをご覧戴ける貴重な展示となります。この機会にぜひ、ご高覧下さい。

2010年 アクリル絵の具、木製パネル W3200×D3200×H7000mm 卒業制作作品

2012年 アクリル絵の具、シナランバーコア W20000×D12000×H4000mm 府中市美術館個展

2014年 アクリル絵の具、シナランバーコア W5000×D5000×H5000mm 第17回岡本太郎現代芸術賞展 (川崎市岡本太郎美術館)

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Gallery Kart - Young Artist Program Vol.02 -「萩谷但馬展 f.lo」Artist Interview

江口(以下、E)

萩谷さんにこれまでのこと、これからのこと、いろいろお聞きしたいと思います。まず、なぜ美術の道を選ばれたのでしょうか?

萩谷(以下、H)

小学生の時に父親にモノを見て描くことを教えてもらったのですが、全く描けませんでした。なぜ出来ないのか気になっていろいろ試していたら、徐々に真剣に取り組んでみたいと思うようになっていきました。

E)美術に対して、何か目標はありましたか?

H)それまで何に対しても強い興味を持たず、長続きしないタイプでしたし、能動的ではありませんでした。そのため、自分が年をとった時まで一貫して作り続けられるようになりたいとは思っていました。

E)予備校時代はどんな制作をされていたのですか?

H)運動部に入っていて、本格的に受験勉強し始めたのは人より遅かったです。受験まで時間がなかったので、高校や家でモチーフを自分で用意して描いてました。
夜、予備校で時間をオーバーして描き足してもあまり効果的でない気がして、家で描くためのモチーフ探しの方に多く時間を割いていました。

E)萩谷さんは河合塾に通われて現役で武蔵野美術大学に入学されましたが、入学してからはどんな制作をされていたのですか?

H)当時、武蔵美は1年生は決まった課題があったのですが、2年生になると比較的自由課題が多くてその時に50号いっぱいに蟻をたくさん描いたり、六角形のパネルに描いたりしてそれをランダムに壁に配置するような作品を作っていました。
色々なタイプの先生や先輩がいて、あまり日本画とは関係のないアドバイスを多くもらいました。
そうして全く知らなかった現代芸術の流れを教わったり、制作しているうちに地と図の関係や、壁と作品の関係など主と副について考えるようになり、2年の後半からはインスタレーション作品も多く作るようになりました。

E)予備校時代から現在までの制作で変わらないものは何かありますか?

H)予備校時代というより子供の頃からですが、普段生活する分には注視するに足らないようなものに目を向ける傾向があるようです。制作の手段や素材は、その都度変わることもありますが、最初の興味は大して変わっていないのではないかと思います。

E)今回のKartでの展示について簡単に説明していただけますか?

H)最近は「後続する」という事物の関係について興味を持って、制作しています。
今、目の前で展示している「fol.」をまた形を変えて提示しようと考えています。(インタビューはgFAL(武蔵野美)での個展中に収録)
もともとそう考えていた作品だったので、お話を頂いた時にちょうど良いタイミングだと思いました。展示期間中に何度か通って少しずつ形を変えていこうと思っています。

E)最近の事をお聞きします。展示していて何か印象に残った事はありますか?

H)大きい作品になることが多く、搬入出が大変ですね。ある程度イメージ通りにはなるのですが、必ず想定外のところが出てきます。限られた時間や資材の中での修正作業を通して、自分にとって何が重要かを特に考えなくてはいけないときがあって、そこで考えたことが次の作品につながっていくこともあります。そういうやり取りが面白いです。

E)アーティストとして活動し始めて、何か変わったことはありますか?

H)活動を開始すると改めて決めた時がなかったからか(意識としては)あまり変わりないですね。制作前に一人で考える時間を多くとるようになった気はします。

E)今はどんな事を目標にしていますか?

H)20ないし24の、作りたい主要な作品があります。今のペースで死ぬまでにできるかが心配なのですが(笑)

E)後輩の河合塾生に一言ありましたらお願いします!

H)あまり受験の課題だと思わずに一つ一つ「作品」と思って作っていくことが良いのではないかと思います。

E)ありがとうございました。

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Gallery Kart - Young Artist Program Vol.02 -「萩谷但馬展 f.lo」
Artist Interview 2014年秋
インタビュイー/萩谷但馬
インタビュアー/江口暢彌

写真/萩谷但馬さん、武蔵野美術大学 gFALでの展示作品の前にて。

アーティスト情報/萩谷但馬

経歴
萩谷但馬 Tajima Hagiya
作家HP https://tajima-hagiya.com/
1987 東京都生まれ
2010 武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業
主な作品
2014 第17回岡本太郎現代芸術賞展 (川崎市岡本太郎美術館)
2012 Tajima HAGIYA 1st exhibition (府中市美術館市民ギャラリー)
2010 武蔵野美術大学卒業・修了制作展、優秀作品展 (武蔵野美術大学)
主なグループ展
2011 50:50 参加
(ART BOX Gallery)
2010 越後妻有 大地の祭り 2010 夏
線描の悦び -素描と日本画の作品を中心として- 参加
(越後妻有 田野倉集落古民家)
Eco Shift Taito 2010
線描再考 -Reconsider Drawing- 参加
(MAKII MASARU FINE ARTS)

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