河合塾 美術研究所新宿校 入塾パンフレット
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70 Kawaijuku Art Institute 2018将来・未来からみた「基礎」のお話デザイン・美術の仕事って? 美術予備校、基礎専攻って?将来への投資をしよう   高校1・2年生が予備校で行う、もっとも重要なことは、なんでしょうか。目の前の入試準備? もちろんそれは大切です。しかしこの時期に、もっと広い視野で、将来への投資をすることをおろそかにしては、片手落ちになってしまう…。そんなお話をしたいと思います。小手先の技術ではない「基礎」を身につけよう   美術予備校は、大学に合格するためだけに存在しているのではありません。大学に入って、さらに社会に出てから必要になる、“創作する人”としての習慣、思考や視点などといった、本質的な基礎力を養うところなのです。“一流”になるには?   たとえば、サッカー選手であれば、ボールを蹴る、止めるといった基本技術はもとより、視野の広さ、ゲームを読む力、集中力、持久力、耐えどころ攻めどころの勘など、どれが欠けても一流にはなれません。 デザインや美術も同じです。目の前のものが上手く描けることは基本ですが、それを活かす構図や作品の狙い、サッカーと同じく集中力や持久力、自分の作品が成立する背景の理解や、同時代の創作や美術史のリサーチなど、さまざまな要素が必要なのです。「コミュニケーション」と「多様な経験」が大切   創作はひとりで行うことだと思われがちですが、実は、他の人とのコミュニケーションなしには成り立ちません。他の人の創作を認めることによって、自分を知る。そんな、自学自習ができる人になってください。そのためにも、この時期に多様な経験をし、友人や講師と出会うことが大切なのです。 河合塾・基礎専攻では、いろいろな専攻課題を試し、さまざまな専攻の講師が多角的にアドバイスできるカリキュラムを用意。広い視野で、自分の創作を考える環境を大切にしています。ここでご紹介するのは、そんな河合塾・基礎専攻から巣立った先輩たちからのメッセージ。みなさんの先輩は、デザイン、アートのさまざまな分野で活躍されています!吉祥寺駅前「ゾウのはな子」像制作を頼まれた!美術家 笛田 亜希 さん吉祥寺駅前に設置された「ゾウのはな子」の銅像を制作しました。わたしは油画専攻出身で、絵を描く仕事が多いですが、はな子など大切にしているテーマを、さまざまなメディアで表現しています。高校2年生の時の、基礎専攻の修了制作では、絵画、レリーフ、ポップアップ(飛び出す絵本)が混在した作品をつくりました。自分が「これだ!」と思うテーマを見つけ、ジャンルを超えて表現することは、今に繋がっているのかもしれませんね。TV美術セットをデザインする!株式会社テレビ東京アート 制作本部 美術部デザイナー 金森 明日香 さん“将来の目標を逆算して河合塾美術研究所・基礎専攻へ”進学に積極的な高校に通っていたため、「将来の目標」を早くから考えさせられる高校生時代を送っていた際に、演劇部だった私は「舞台美術」という仕事があることを知り、そこに行きつくためにすべき事を考え、美大進学を目標にしたときに必然的に美術予備校にたどり着きました。基礎専攻には私のような人ばかりでなく、漠然と美大を目指している子も多く、今まで出会うことのなかったいろいろな考え方の友達ができ刺激を受けたのを覚えています。その人脈は今でも続く大切な財産の一つになりました。横須賀美術館で大回顧展を開催!絵本作家 tupera tupera 中川 敦子 さん高校時代、美大を目指して、河合塾美術研究所の基礎専攻に通い始めました。美術の道を志して集まってきたみんなは、高校の仲間たちとは全然違っていて、ファッションや考え方など、個性が強く刺激的でドキドキしたことを覚えています。自分の感性やその後の人生の可能性を広げてくれた第一歩が、基礎専攻時代だったのだと思います。世界に羽ばたくアーティストとして海外に!第20回岡本太郎現代芸術賞「岡本敏子賞」などを受賞された彫刻家 井原 宏蕗 さん高校2年生の頃から美大を目指し河合塾の基礎専攻に通い始めました。当時の私は、現代にもアーティストがいて現在進行形で活動をしていることを知りませんでした。また、自分がそうなるという強い意志があった訳でもありません。しかし基礎専攻で作品を造る感覚や喜びを味わうことができたからこそ、現在も制作を続けているのだと思います。美術に限ったことではありませんが、仕事をしていく中で一番大切なものは人と人の繋がりだと思います。基礎専攻では同年代の美術を志す人たちと個性的な講師の方と出会うことができます。その繋がりは今でも続く掛け替えのないものです。photo Ryumon Kagioka

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